ルーカス・マイヤーズによる回想録

シルヴィア・プラスの創作への姿勢についてのルーカス・マイヤーズの意見。

詩とはどこかから不意に詩人を襲うものであるはずなのに、純粋に意志をもって詩を書くのは正当でないと思ったのだ。

(p438)

テッドとシルヴィアが共有していたのは、芸術に対する比類なきひたむきさであった。彼らは自らの内にある最高のものを言葉にしようと堅く決意していた。だが、いくぶん違う決意の仕方であるように僕は思った。シルヴィアはそれが人に読まれねばならぬと決意していた。テッドはそれが存在しなければならぬと決意していた。

(p441)
ルーカス・マイヤーズ「ああ、青春 ケンブリッジ時代とその後のテッドとシルヴィア」(『詩人シルヴィア・プラスの生涯』 アン・スティーブンソン/風呂本惇子 訳 晶文社・収録)より。

「文学的に成功するために」あるいは「自分を表現するために」書いたと屈託なく語るアメリカの作家に常々感じていた違和感の理由がわかった。私はどちらかと言うとルーカス・マイヤーズやテッド・ヒューズの意見に賛同するからだ。