Hall

神無き月十番目の夜

『神無き月十番目の夜』 飯嶋和一(河出文庫)(4/23) 読み終わって呆然とする作である。北関東の一村がまるごと虐殺されることは序章ですでに明らかにされていて、だから結末はわかった上で読み進むんだが、これが苦しいのなんの。事態が加速度をつけて転が…

 #4『最後の晩餐の作り方』 ジョン・ランチェスター/小梨直 訳

背表紙を眺めているだけでぴんと来るというか、妙な吸引力を感じるというか、自分好みの本に対する嗅覚が不思議に働く瞬間があるんですが、今回もその伝で大当たりを掴みました。古本屋で発見。しかし強力リコメンドしようにも、これももう絶版のようですね…

#3 『戦争の法』 佐藤亜紀

臆面もなくぶっちゃけますが、日本ファンタジーノベル大賞受賞作『バルタザールの遍歴』でデビューしたときから、この人の小説のファンです。思えばこの頃のファンタジーノベル大賞はかなり面白いセレクトだった。だって初代大賞はあの『後宮小説』(酒見賢…

#2 『キャッチ=22』 ジョーゼフ・ヘラー/飛田茂雄 訳

日本では知られているとも売れているとも全く思えない本だけど、絶版にしない早川書房に敬意を表します。ジョーゼフ・ヘラーはアメリカの作家。寡作で知られたこの作家の代表作にして最大の傑作。戦争小説の金字塔。この本も布教巡業中で手許になかったので…

#1 『項羽と劉邦』 司馬遼太郎

私に大学受験捨てさせた本……。 昔、センター試験の国語にこの小説が使われたことがあって、試験直前に学校で毎日やらされていた過去問で遭遇したのが運の尽き。確か下巻あたりの、かい通(漢字出ない…)とかいう説客が処刑される場面じゃなかったっけ。もう…

が、最近の各種ブックランキングや文学賞の受賞結果への正直な感想だったりする。多分、私の好みのテイストと最近のトレンドが全然合わないってことなんだろうけど、じゃあお前好みのテイストってどんなよ、って自分でもあまりわかってなかったりもする。 っ…

極私的殿堂入り本リスト。臆面もないリコメンド長文つき。