Iberia / Vega / Yvonne En Visite / Navarra
ちょっと前に試聴コーナーで一目惚れして買ったCD。耳が疲れたときの1枚。夏の海の深碧と、日差しを弾く水面の輝き。

アルベニスの『イベリア』って、もの凄い難曲らしいですね。リストやラヴェルラフマニノフのようなあからさまな超絶技巧って感じではなく、でも曲の持つしなやかな色気や軽やかさを出すのは至難という種類のピースらしい。多分、一言で言えば「わかりにくい」曲なんだろうと思います。錯綜する指使いに複雑なリズム、譜面からどれが旋律なのかを拾い出して、絡まりあう音の中からそれを浮き出させるのが難しい。でもその分、それが成功したときに醸し出される玉虫色の音色は喩えようもなく美しいと思います。個人的にはシューマンピアノ曲もそういう感じがするな。だからピアニストに嫌われるのかなあ。録音も少ないし。このCDのアムランの演奏は、曲の難易度を全く感じさせない伸びやかで繊細なタッチがお見事。大好きです。


ちなみに『イベリア』についてはこちらのページが詳しいです。
http://homepage1.nifty.com/iberia/score_albeniz-iberia.htm