ラフマニノフのCDをお貸しすることになって手持ちを確かめてみたら、CDまるごとラフマニノフ作品(作品集などで1、2曲というのは除く)というのだけで13枚もあった。その中でピアノ協奏曲が9枚。アホですね。どうしても好みに合わなくて手放しているのもあるので、購入数で数えると気が遠くなりそうだ。できることなら全部送り付けたいくらいですが、それも迷惑なので今選定中です。ああ迷う〜〜〜…
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番
ピアコン2番のイチオシは決まっているので、3番で迷い中。それで聴き直してみたアシュケナージの演奏が実に良かったのです。これまで、破綻はない代わりに今一つ面白みもないなあ…と思っていたのですが、それも無理もない。言ってみれば地味めの演奏です。全体にゆっくりめのテンポ設定、冒頭から1楽章の前半なんて半分オケに埋もれてるんじゃないかっていうような状態ですが、これが実に優しくて美しい音。湿り気のある仄暗い音色はラフマニノフの音楽にぴったりです。見せ所のカデンツァもあまり走らず、しっとりと落ち着いた流れを聴かせてくれます。大人の演奏。これと比べるとクライバーンの演奏(これも大好きですが)はやはり若いと思いました。アシュケナージの素晴らしいところはニュアンスをたっぷり含んだ弱音だと改めて思いました。どうも派手な爆演系や颯爽としたクリアな演奏が好きなので不覚にも今までこの良さに気づかなかったよ。
というわけでmさん、これもお送りします。是非。