ショスタコーヴィチ:交響曲第5番
しばらくさぼっていたらタコ様のたたりか、三分の一ほど書き掛けていたこの記事が吹っ飛びました。くわばらくわばら。
というわけで、私の交響曲第5番刷り込まれ盤。と言っても手持ちのMDK盤そのものはもう廃盤らしく、ここに載せたのはおそらく買い取ったのであろうソニーミュージック盤です。内容は同じ。えらく赤いジャケットになってるな。うちにあるMDK盤はすってきーにダサい感じのロシア風建物(モスクワかどっかの有名な建物なんだろうか。浅学にしてわかりません)の絵柄で、どっちもどっちです。
NYフィルを率いたバーンスタインの1979年東京文化会館でのライブ録音。当時の私は物心ついてませんでした。もう本気であと20年早く生まれていればと思いましたね。バリバリ東側風味ロシアオケ的硬派な演奏が好きな向きには、いやはや西側の演奏だねえー…という謗りを受けつつも、歴史的な名盤としての評価を確立しています。また日本での演奏だったというのが何とも嬉しいですね。こないだのゲルギエフ&マリインスキーinミューザ川崎も録音してればこういう名盤になっていたやも。
演奏のほうですが、もう聴いただけであああバーンスタインだよ! というアツイ演奏です。どこか冷たく無機質な感じを漂わせるショスタコーヴィチが、汗の飛び散るような熱血な音楽に。この曲が作曲された当時のソヴィエト当局は本当はこういう演奏を求めてたんじゃないかなあ。誰もが思わず昂揚するような音楽。でも実際にどうだったかは、現代でも顕著に見られるロシアオケのカラーからも明らかでしょう。この曲から赤さとか体制の匂いを嗅ぎ取ってしまうとすれば、それはこの曲が作曲され、演奏された環境に全面的によるものじゃないかと思います。そして、それを忠実に再現した演奏が聴きたいなら、旧体制下の録音だけを聴けばよいのです。ところと感性が違えばいくらでも違った解釈があってよく、だから「西側の演奏」だって大いにアリなのです。
おっとっと、露骨なバーンスタイン贔屓でした。
一緒に入っているヨーヨー・マオーマンディフィラデルフィア管のチェロ協奏曲第1番も素晴らしい「西側の」演奏ですよ。