わが悲しき娼婦たちの思い出

いとすさまじき老人讃歌もあったもんだ。読んでいて感じたのは、南米の町の雰囲気や生活習慣全般がよくわからないものだから(しかも意図的にかそれほど詳細な描写はない)、現代の話なのに妙に時代がかった印象を受ける、というか時代を超越したファンタジーとして読んでしまう、ということだった。そこに加えて九十歳の老人が十四かそこらの少女を愛するという話では、もはやユートピア小説の域に入りそうだ。