月の骨、我らが影の声

ダーク・ファンタジーと言われているけど、これはホラーに近いのでは。しかし周囲から聞く評判ほどにはインパクトがなく、ただ「上手いなあ」という感想に尽きる。ストーリーテリングが抜群に上手いのはわかるんですがねえ(『月の骨』なんか、主人公の「あたしって幸せなのー」トークに「この女いい加減にしてくれないかな」と思わせながらも最後まで読ませるのはすごい)。どうも相性が悪いようで、キャロル週間はこの辺で収束。
そもそも私、ホラー小説にはかなり不感症気味なのだ。特に翻訳物のホラーはほとんどダメでスティーブン・キングもさっぱり、和製ホラーは辛うじて楽しめるものがあるけど、心底怖かったのは岩井志麻子の『ぼっけえきょうてえ』と板東眞砂子くらいだった。あ、あと子供の頃に児童会館で読んだ『はだしのゲン』も夢に出てくるくらい怖かった。「怖い」より「気持ち悪い」のほうがインパクト強いみたい。
こんな私ですが、ホラー映画とおばけ屋敷は全く駄目なヘタレです。五感に訴えるインパクトと文章から受けるインパクトは全然違うんだよな。