日々ごはん

高山さんの料理本は何冊か持っていて、結構参考にもしているのだけど、文章はどうにも苦手だった。なんかイヤ、というレベルなのだが、それがどうしてだかわからないまま、ずるずると五冊も、このウェブサイトの日記をまとめたエッセイを読んでしまった。高山さん自身が『日々ごはん5』で正岡子規の日記を「ちょっとイヤーな感じ」と言いながら二冊も読むのと同じで、何だかすっきりしないまま、その原因はなんだろうと思いながら、ひょっとしたら粗探し的な執念でもって本を読んでしまうことが結構ある。つくづく性格が悪い。で、ここまで読んでやっと少しわかってきた。公開を前提としている日記に平気で友人を何の説明もなく愛称で登場させるようなところとか、泣き上戸なところとか、「野菜の気持ちになって考えよう」に類する発言とか、全て高山さん独特のストレートで、あまりにナイーブな性質に発するもののようで、それは私には微塵もない点なのだった。私はおそらく、高山さんのような感性が羨ましかったのだ。一応原因が納得できたので、もう読むのを止める。