徴税権力

著者は長年、国税庁担当の新聞記者だったというだけあって、国税庁のナマの貌が生き生きと描かれるノンフィクション。すごく面白かった。冒頭で展開される、金丸信の脱税摘発事件での国税庁査察部の動きは、まさにリアル『マルサの女』。政治家や悪質な企業に対する国税庁の果敢な攻勢を描く一方で、強きに靡き弱きを叩き、取れるとこから取ろうとする阿漕な体質もあぶり出されている。
私としては税金も社会保険料も(これまた戻りがさして期待できない点、気持ち的には税金と一緒)持って行かれるのは仕方ないから、アホな使い方せんでくれというのが切実なところなんですが、後書きにも書かれているけど、これは国税の管轄じゃないのよね。