ロイヤル・オペラハウス版『兵士の物語』を観てきた。新国立劇場中劇場。(9/15)
ダンサーが踊って台詞も回すという、バレエ劇とでもいう形式。おかげで演劇に近いテンポ感で見られる。アダム・クーパーを観たのは初めてなんですが、振り付けのせいなのか舞台の狭さのせいなのか、ちょっと重たい感じがした。悪魔役のマシュー・ハートが怪演がとても良かった。あと王女役のゼナイダ・ヤノウスキーがテクニックでは群を抜いている。素人目にも動きの滑らかさと床に吸い付くような安定感が全然違う。
話の筋は、戦争が奪うものとか、二兎を追うもの一兎を得ずとか、金と幸せのトレードオフとか、いろんな解釈ができるけど、結局ヴァイオリンが兵士の魂だとすると、最後に兵士が悪魔に蹴り落とされて地獄に落ちるとき、悪魔はその上からヴァイオリンも落とすんである。そうすると、結局人間は悪魔に魂を奪われるからではなく、まさに自分の魂のせいで身を滅ぼすんだってことなんだろうか。