#1 『項羽と劉邦』 司馬遼太郎

項羽と劉邦(下) (新潮文庫)
私に大学受験捨てさせた本……。
昔、センター試験の国語にこの小説が使われたことがあって、試験直前に学校で毎日やらされていた過去問で遭遇したのが運の尽き。確か下巻あたりの、かい通(漢字出ない…)とかいう説客が処刑される場面じゃなかったっけ。もうよく覚えていませんが。私は過去問そっちのけで続きが気になって仕方なく、試験直前だというのに大枚はたいて(当時高校生ですから)文庫本上中下の3巻まとめ買い。勿論試験勉強もそっちのけで何度も読み返し、その年の大学受験は見事玉砕したのでありました。
多分、はじめて読んだ小説らしい小説、特に長編小説だったと思う。それまで江戸川乱歩とかコナン・ドイルとか赤川次郎(……)とか氷室冴子(赤面)とかばかりでしたから。
人物描写。この小説の魅力はこれに尽きる。今読み返すとかなりフカシ入ってるなあと思うけど、そう思いつつやっぱり引き込まれるのは、あれだけ膨大なキャラクターのすべてがきちんと自分の顔を持っているからだ。個人的に特に好きなのは中巻の張良、下巻(だったかな)の韓信
ちなみにこの本、今は友人のところに布教の旅に出ていて手許にないんですが、この物忘れ大王の私がこれだけ内容を覚えているあたり、当時の入れ込みようが知れる…。

ついでにこれのおかげで中国史にハマって、浪人中に予備校さぼって、中央図書館の東洋史の棚を右から左に読破するというアホなことをさらしてました。ホント、アホですね。