感想垂れ流し

ひさびさの垂れ流し。
ブーレーズと3人のピアニストによるバルトーク・ピアノ協奏曲全3曲。この3人てのがツィンマーマン、アンスネス、グリモーという豪華さに惹かれて聞いてみたんですが……なんていうか、バルトークって現代音楽だったんですよね。忘れてました。ちょうど1番から上の順のピアニストが担当してるんですが、可哀想にツィンマーマン担当の1番に旋律と言えそうな部分はほとんどなかった……。とっても貧困な発想で申し訳ないが、原始人が火の回りで歌い踊っているイメージで脳内支配されてしまいましたよ。むしろこれは現代っていうより原始音楽か。アンスネスの2番はもうちょっと音楽らしくなってきた感じだけど、まだまだアグレッシヴでアヴァンギャルド。それでも音に艶やかさと優しい印象を感じるのは私のアンスネス贔屓のせいですか。グリモーの3番でようやくなんとか落ち着いて聞ける曲想に。面白いけど気が休まらないのでパス。
ちなみに3曲でオケも違ったんだけど、1番担当がシカゴ交響楽団だったのに納得。この野蛮さはシカゴ響でないと。そして相変わらずこのオケのファゴットは……。はじめて聴いたとき、こういう音もアリなのかと耳を疑いました。
バックハウス特集をやっていたので、バックハウスブラームス・ピアノ協奏曲第二番。ドイツ。いや、独逸。なんつーか独逸。ドイツ音楽原理主義者が涙を流しそうな、厳格で重厚で分厚い、質実剛健さ。何か重工業の匂いを感じましたよ。ベーム指揮のウィーン・フィルときているから、極めつけでしょう。シューマンのピアノ協奏曲もあったのですが、これも分厚い豊かなハーモニーは実に美しいんだが、リズムはまるで軍隊行進曲。バックハウスのピアノは素晴らしいテクニックに息継ぎができないくらいまでにフレーズを延々と繋ぐ美しいタッチなのですが、いかんせんリズムが几帳面というか、重い。これはこれで一聴の価値がありますが、私の好みではないのでパス。
ドイツものっていう分類で、シューマンは一般に重々しい演奏が多い気がするんだけど、軽やかに弾くとあれほど滴るように美しくて気持ちいいメロディってないと思うんだけどなあ。シューマンピアノ曲はリズムが命ってクララ・シューマンも言ってたらしいよ。