『ニューロマンサー』 ウィリアム・ギブスン/黒丸尚 訳
港の空の色は、空きチャンネルに合わせたTVの色だった。
(ハヤカワ文庫版 p11)
定番ですね。ついでにもう一発。
「ニューロマンサー」
と少年は、切れ長の灰色の目を、昇る朝日に細め、
「この細道が死者の地へとつながる。…(中略)…ニューロは神経、銀色の径。夢想家(ロマンサー)。魔道師(ネクロマンサー)。ぼくは死者を呼び起こす。いや、違うな、お友だち」
と少年はちょっと踊って見せて、褐色の足で砂に跡を印し、
「ぼくこそが死者にして、その地」
(ハヤカワ文庫版 p398-399)
この作品、書評を探してもあらすじを紹介しているものは皆無なあたり、やっぱり皆あんまりストーリーはわからなかったんですかね。まあストーリーがわからなくても、傑作だってことだけがわかる作品てのもあるもんです。