妖魅変成夜話 4

妖魅変成夜話 4

いやーなんか凄い愉快なことになってきた。天帝に西王母に王夫人、上元夫人に銭塘公に牽牛織女、麒麟に龍は勿論、羽人や畢方なんていうマイナーどころまで勢揃いで、中国神話オタクとしては楽しくて仕方ありません。山海経とか列仙伝とかにうっとりしてた頃を思い出すなあ。古代中国の青銅器なんかを見てると、我々にはどう見ても理解不能で奇怪な、けどおそらく一つ一つに必ず意味のある様々な文様が、もう空間恐怖症かって勢いでびっしりと細かく描かれているのに感心しつつも呆れ、そこまで空間を埋めようとする情熱が不思議で、そこが好きなんだった。だけどそれは確かに、この本に描いてあるように、世界の理を残らず織り上げて、そのことで世界を理解し手中に納めようとする情熱かもしれなくて、それも中国人の習性として深く納得できる。