英語と英国と英国人

前半の英語に関するエッセイの部分、「英語が英語だというだけで有難がって文法などの枝葉末節に拘泥するのは本末転倒」ということでしょうが、まあ言いたいことはわかるにしてもこの人、外交官の息子として長くヨーロッパ暮らしをした超セレブ帰国子女だからなあ…と思ったり。英語環境としては特権階級にいたわけですから、そうでない人間のハンデとコンプレックスは理解できないんだろう。幼時の素地がない、例えば中国語なんかをものにして同じこと書いたんなら素直に感心も致しましょうが。
後半の英国と英国人に関するエッセイは楽しく読みました。英国の公園の色彩や四季、特に食べ物に関する文章はとても美味しそう。英国なのに。確かに英国の食べ物は、素材にあまり手を加えないものが多いかもしれない。シンプルな手順だけに、素材の質と供されるタイミングがものを言う。だから都会より田舎のほうが絶対に美味しいんだろう。にしても、やっぱり英国人は食べ物にはあまり手を掛けない人々であることには変わりはないみたい。