クラシック批評こてんぱん

これってクラシック批評の批評、クラシック批評というジャンルの文芸批評ですね。しかしまあ、この人にかかると錚々たる偉い評論家先生方もけちょんけちょんですね! 楽しい!<性格悪い
日本には「批評」が生まれる土壌がない、という著者の意見には、ちょっと頷ける。対象を自分とは違うものとして認識しようとするより、自分と同質のものとして取り込んでしまうか、あるいは自分の世界から異物として排除してしまうかのどちらかに走りがちだよね。
あと、私を含めてそうだけど、概ねアマチュアの演奏者は、演奏経験のない所謂クラオタ(コンサート通いしたりCD買い漁って聞き比べたりして批評するようなコアなクラシックマニア)に比べて、演奏に対する評価が比較的寛容なのも、このせいでしょう。実際に演奏する立場がわかるだけに、あーまあそういう解釈もアリだよね、とか、そうそうーここ難しいんだよガンバレー、とか、どうしても自分に引き付けて考えてしまうからで、クラオタとしての純粋な理想主義に傾きにくい。それもやっぱり、自分と同化して考えちゃってるってことだよね。