くじ

日曜に読み終わって放置してしまった。貸出期限も切れてるよ。1950年頃の作品と知って正直びっくりしました。繊細とさえ言えるほどの筆致で、小さな隠れた悪意や残酷さを写し取る作風は、むしろ現代のほうが広く読まれそうだ。表題作の『くじ』は正直言ってそんなに印象に残らず、『塩の柱』のどこか吸引力のある荒廃感と、『歯』の熱に浮かされたような疾走感が素晴らしかった。