コンピュータ・コネクション

面白ーい。ゴーレムと結構似た世界観で、ゴーレムを訳した渡辺さんが参考として読んだというのもわかります。トラトラを読んだ時にはよくわからなかったけど、ベスター作品のこの退廃的なジャンク感、こないだ観た映画ブレードランナーの世界観と良く似ている。年代的に、ブレードランナーが影響受けてるんでしょう。ジャンクで退廃的、スラップスティック、アメコミ的なキャラ立ち(ジェシーが最高。天性のカリスマにして骨髄までアジテーター)、そして会話がすごくおしゃれ。主人公だけじゃなく小説全体がグラン・ギニョール的。これはすれっからしの手になる作品だ。ベスターは大昔に挫折した経験があるんだけど、高校生のお子ちゃまにはこういうすれた魅力は全然わからなかったんだろう。というか、壊れてからのベスターのほうが肌に合うのかな。『分解された男』から始めたのがいけなかったのかもしれない。今のとこゴーレムから快調に遡っています。