大正天皇

ちょっと前に問題になった社会科の履修不足、私の高校もご多分に漏れず世界史と日本史の履修は二年の時だけ。三年時の志望学科別クラスでは地理だけで、歴史二科目は選択肢にすらありませんでした。(別に進学校じゃなかったのに…) 二年時の授業は当然のように遅れ、日本史は確か江戸時代くらいまでしか行かなくて近代史は真っ白け。大正時代のことも大正天皇のこともこの歳まで何も知らない私です。これってやっぱ恥ずかしいことよね。
『滝山コミューン』が印象的だったので、同じ著者のこれを読んでみましたが、こちらは学術書に徹していて事実の羅列や関係文書の引用が多く、正直辛くて結構読み飛ばしました(延々と続く巡幸に関する記述とかね)。大正天皇が側近たちにとっては微妙に扱いづらい個性の人であり、昭和天皇(当時皇太子)の摂政制にスムーズに移行させるために意図的に「押し込められた」とする著者の説は面白い。しかしこれ読んでても思うけど、宮中の仕来たりとかスケジュールとか、ほんと非人間的だよなあ。天皇制って誰のためのものなのかと思う。