アラビアのロレンス 完全版』を観てきた。テアトルタイムズスクエア。最近こういう名作のリプリントが多くて嬉しい。例によってアホ丸出しの感想列挙。

  • 上映時間三時間半以上、前編後編の間に休憩が挟まれ、それぞれ始まる前にはたっぷり4分間くらい音楽だけのイントロダクションとインターミッションが挿入される。まるっきりオペラ方式。いい時代だったんだな。
  • ピーター・オトゥール、目張り入ってる? 若干○マっぽい挙措と話し方。典型的な英国貴族って外国人にはああいう印象なんだろうか(でも実際ロレンスはアイルランド貴族の庶子なんだが)。
  • 駱駝すごいよ駱駝! あんなに馬並みにパカパカ走るもんなんだ。かっぽんかっぽんのんびり歩いている印象しか今までなかった。
  • 馬すごいよ馬! さすがアラブ馬! 砂漠だろうが何だろうがバリバリ爆走するよ!
  • トルコ人将校の人すごい。あの悪意そのものの存在感。蛇のような冷たく湿った悪辣と酷薄。そりゃ泣いて英国にも帰りたくなるだろう。アカデミー賞は彼のものだ。
  • オマール・シャリフかっこいい! ロレンスがオスカル様ならアリはアンドレだ!
  • 全てがロレンス中心に回るのはカリスマだから当然として、他に良かったのが、じゃが芋顔の実直なブライトン中佐と、ヨーダみたいな老獪爺ドライデン。
  • 結局自分の吐いた嘘とはったりの引っ込みがつかなくなって身を滅ぼしたというべきか、「老人たち」が遥かに上手だったと言うべきか。
  • でも「演技」してしまうのは、殺し、慈愛を差し伸べることと同じくらい人間の本性だと思う。
  • 今はこんな贅沢な映画、とてもじゃないけど撮れないんだろうな。ロケ地はほとんど、本物の、もっと「進歩」した戦場になっているし。