意志の勝利
『意志の勝利』を観てきた。渋谷シアターN。どうせガラガラだろうとタカを括っていたら、なんと超満員。あの有名なナチのプロパガンダ映画、ニュルンベルクの党大会のドキュメンタリーです。うまくまとまらないので感想箇条書き。
- 確かに映像は凄い。カットの繋ぎ方が壮絶に上手い。
- でも音声が凄まじくストレスフル。
- バリバリに割れたバックミュージックはともかく、あの全員がシャウト系の演説。ダミ声ばかり。最後のほうはもううんざりしてたけど、寝ることすら許されない絶叫大会。
- そんな中、ゲッペルスだけがやたらにいい声。
- 災害時の避難キャンプみたいなユーゲントの野営テントの群れ、ちょっと笑える。
- その後の映像もまさに避難キャンプ。皆さん楽しそうにしてはいるのですが。
- ユーゲントの皆さん、とりあえずカメラに入る誰かしらは上半身裸で、誰も彼もが半スボンだ。
- あの盛り沢山のイベントの企画力、構成力はすごい。パレードで華やかなオープニング、幹部の皆さんが一人ひとりスポットライトを浴びる絶叫大会があって、夜中のトーチがあって、花火があって、青少年の呼びかけがあって、騎馬隊と自動車部隊のレースがあって、誰だか元帥の追悼で粛々とした趣きを出し、圧巻の軍事パレードでクライマックス、最後に感動的な総統の演説で締める。一大スペクタクル。
- 親衛隊と突撃隊の観閲式は、中国の人民大会も真っ青の人海戦術。
- ニュルンベルクの街路をびちびちに埋め尽くす軍事パレード、見てて酔う。
- ヒトラーの仕草って、どこか人相や言動に不釣合いに可愛いところがある。敬礼に応えるときの片手の上げ具合とか、答礼のときの指先の伸ばし方とか、なんか女の子っぽいというか。
- でも演説は普通に上手かったのが意外。やはりシャウト系で、映画の趣旨からもできるだけ格好良く撮ったんでしょうけど、それを考慮しても。私が知っていたヒトラー像は間接的な情報源によって相当誇張されたものだったと気づきました。
- 本編と全然関係ないけど、斜め前に座ってた人が、幹部の皆さんの演説シーンになるとかぶりつきになってたのが妙に気になる。(てか狭い劇場だからかぶりつきになられると後ろの人は画面が見えなくなるのよー)
- とりあえず疲れた……。