ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず 上

お薦めいただいたので図書館から借りてみたが文庫版にしたのは失敗だった。薄い。薄すぎるよ。三十ウン巻とか気が遠くなる。次から単行本に切り替えます。

神話時代から王政へ、王政から共和政へ。何の説明もなく人名や地名がぽんぽん出てくるし、表記は結構揺らぐしでわかりにくいところもあるけど、面白い。

ローマは移民の国だ。ギリシャ血統主義なのに対して、ローマは基本的に移住は強制するけど市民権は与える。国力増大には合理的な方法ですね。ギリシャのポリス群のばらばらっぷりがすごい。「団結の精神と無縁」とか書かれちゃってますが、独立不羈というか、ゴーイングマイウェイというか。でも結局、直接民主主義を維持するための血統主義だったのじゃないかな。百人単位で一票のローマとは、人口も一票の重みも違ったんだろうと。

しかしこの語りの形式ってどういうんだろ。ストーリーのある純粋な小説でもないし、歴史論文でもない。司馬遼太郎の『項羽と劉邦』なんかに近いけど、フィクションとしてのストーリー性はさらに薄い感じ。歴史萌え語り? 

しばらくローマ本マラソンの予定。