読まず嫌い

だから物語メガネとは、小説脳だけをさすのではない。物語とは「安定したものの見かた」の基礎になるもの、なのだ。これがなければ人は生きていけない。

(p38)

読まず嫌いの理由付けって、皆一緒なんだなと思った。やっぱある種、中二病なんですね。
著者は自身のことを読まず嫌い王認定しているけど、そのあと数多くの小説と「和解」しており(本書は和解の書であるとも言っている)、その点、私はまだ明るい牢獄に居る。でも、外の真っ暗闇を手探りで歩いて宝を探し出すにはもう時間が足りなすぎるとも思うのだ。ハズレにも数多く当たって本を壁に叩きつけるどころか火をつけたくなったことも枚挙に暇がない。だから、こういう確かな批評家さんは頼りにしてます。全く読んだことのない本を読んでみたいと思わせる批評家こそが良い批評家というのが私の持論。