イングロリアス・バスターズ

イングロリアス・バスターズ』を観てきた。TOHO日劇。(11/29)
大蟻食先生の特別講義の日にちを間違えて神保町まで行き、そこからやけくそで有楽町まで歩いて起死回生のリカバリ……のはずだったんだが、私これ、好きじゃない。予告編から楽しみにしてたんだけどなあ…。
パロディ・本歌取りが排他的な楽しみであるということはわかります。だから、数々の映画の引用とパロディとリスペクトとオマージュに満ちているらしいこの映画の、元ネタがほとんどわからないことによるお楽しみ度の低さは、まあ仕方ないと思う。
ただ、それを抜きにしても楽しめる作品というのはあるんだが、これは私の好み的にどうも駄目です。ただナチをぶち殺して、ぶち殺した者も含めて全員死んでいくだけの映画の何が楽しいのかと。多分、パニック映画とかディザスター映画とかが楽しめないのは、この性向のせいだとは思う。どうせ景気良くナチをぶち殺す映画だったら、娯楽映画に徹して、バスターズがはちゃめちゃに暴れ回るところをもっと写してくれればいいのに。にしても、大量殺人を犯したナチを称揚するプロパガンダ映画は駄目で、「ナチだ」というだけで誰でもぶち殺す映画は良いっていうのは、よくわからないな。
全体にテンポも悪いと思う。「アレのパロだ」と分かっている人には、「アレのパロだ」で楽しいのかもしれんが、何も知らない人間は単に「なんか冗長で間が悪い」で終わってしまう。観てて面白かったのが、ユダヤ・ハンターのハンス・ランダ大佐(クリストフ・ヴァルツ)と、アルド・レイン大尉のブラッド・ピット。プラピ、『バーン・アフター・リーディング』以来、お馬鹿な役が板についてきたなあ。