西本智実の『第九』

西本智実&東京交響楽団の第九に行ってきました。さいたま文化センター大ホール。(12/17)
後から知ったのですがテレビ埼玉のジルベスタ企画だったらしく、テレビカメラで演奏を収録していました。ホールはほぼ満席。平日の地方(すみません)公演なのに、この入りは凄い。
演奏自体はどうかなあと思うところがあったけど、久々のオケ生音、楽しみました。西本さんの緩急の取り方は好みです。演奏の好き嫌いって私の場合、どうもテンポ感にかなりの部分左右されるようで。そして指揮姿、美しい。これはファンが詰め掛けるのがわかります。私も追っ掛けしちゃおうかなあ…首都圏限定で。
オケはちょっとテンポについてってない感じのところがちらほらあったけど、堅実な演奏でした。弦はなかなか良かった。個人的好みとしては低弦にもっとゴリゴリ鳴って欲しかったけど、まあこれはロシア音楽スキーの戯言。しかしトランペットだけはちょっと。そんなところでミスるなんて…。あと全体にへなちょこ過ぎです。あ、そういや吹いてるな、と気付くくらいにオケの中に埋没するなんて、ある意味凄いっちゃ凄いけど、そんなトランペット求めてないんだよ! 入ってきた瞬間からキタキター!と思わせるのがトランペットじゃないかようー! これもロシア音楽スキーの戯言かもしれませんが。
ちなみにホルン、ファゴットはアシあり、クラリネットはアシなしでやってた。すごーい。クラパート、相当きついはずだけど。
合唱は良かった。燃えた! ああいう市民合唱団的ノリの元気良さっていいよね。オケが音量で完全に負けてる。もうちょっと鳴ってもよいはずだぞオケ。合唱の人も第九は他の曲よりも燃えるんじゃないかと勝手に想像している。ソロ歌手はテノールがやたらと良いなあと思ってたら、福井敬さんだった。チェックしとけ私。
あと驚いたのが、演奏中のマナー。ここ最近観に行った中でピカイチの観客マナーでした。演奏中の携帯着メロもなし、お喋りもかばんごそごそも飴の包み紙バリバリもなし(少なくとも私が気付いた限りでは)。終わってからもほとんどの人々が席についたまま、拍手が止まない。ぴゅ―ぴゅ―と鳴り響いた口笛にはびっくりしたけど(日本のコンサートじゃまず聴いたことない!)。きっとみんな西本さんのファンなんだろうなあ。何でしょうか、ヅカのファンクラブみたいな秩序が出来てるんでしょうか。
アンコールにモーツァルトの『アヴェ・ヴェルム・コルプス』。私この曲知らなかったんですけど(スタッフの方に曲名を教えてもらったくらい)、聖体賛美歌なんですね。この演奏が実は一番良かったと思う。弦と合唱だけで、少しリラックスした雰囲気もあり、柔らかくて美しかった。きっとへろへろの管楽器は休ませる選曲でもあったんだろうなと思うけど…(笑)