神聖ローマ帝国

図書館で借りたのは古い版だったので表紙に皇帝ジギスムントの絵が載っている。後追いで買ったのだが、こちらは味も素っ気もない無地の表紙。経費節減の一環か。
世界史の授業の記憶が睡眠の彼方でほとんどない私にはちょうどいい入門書だった。講談調の語り口が読みやすい。ローマ帝国って言ってるのになんでローマにないの? という根本的なところから全くわかってなかったわけだけど、古代ローマ帝国を継承するというファンタジーに支えられた帝国だったのだと深く納得。だからこそのイタリアへの執着だったわけだ。
これに続く統一ドイツが第二の帝国。ヒトラーが唱えたのが第三の帝国。どれもが世界帝国の再来というファンタジーに支えられた帝国だったと言える。現代のEUはひょっとしたら形を変えた第四の帝国なのかもしれない。世界帝国の夢は見果てない。でも真に古代ローマ的な世界帝国を目指すのであれば、EUのトルコ加盟なぞは歓迎すべきでこそあれ、問題なんか何もないはずだよね。トルコはまさに最盛期のローマの版図に入ってたわけだし。ナショナリズムと宗教が絡むとややこしいことになるんだろう、きっと。