銃・病原菌・鉄 上

人間が主な居住地によって生産力・技術力に差が出来たのは何故かを説明する本。序章を読んでいて妙にもやもやしたのが、このテーマがぶっちゃけ何故ヨーロッパ系の人間が歴史的に覇権を握ることになってその逆ではなかったのか、って問題に還元されるところで、西洋人に何故俺たちが成功したかを懇々と説かれるのもなあ…と。
しかし内容はとても読みやすくて面白い。上の問いの答えは結局のところ居住地の風土環境ってことで、当たり前じゃないかと思ってしまうんだが、これがどうしてなのかを丁寧に説明していく。特にキーが、農耕・牧畜が開始できるだけの生物的多様性と、農耕・牧畜による人口密度と、さらにそれによる病原菌への耐性っていうのは面白い。アメリカ大陸を征服したのはスペイン人ではなく、実はスペイン人が持ち込んだ病原菌だったらしい。
下巻が図書館から来るまでしばらく待ち。