突然思い出したので書いておこうっと。だいぶ前、と言っても就職して首都圏に出てからだからここ十年以内だけど、大阪に行くために(用事でだったか単に遊びにだったか)新幹線に乗っていて、隣席のおじいさんと世間話をしたことがあった。どういうきっかけでどんな話をしたのかもはやさっぱり憶えていないんだけど、既婚者に間違われたことと、こちらが旅の目的を訊いたら、京都の家族のところに行くところだという答えで、「長くキュウジョウに勤めていた」のだが、もう辞めたのだと聞いたことだけを憶えている。最初反射的に「球場」という漢字を当てはめてしまって、すぐに「宮城」だと思い直した。ほんと、聞き返さなくてよかったと思う。それ以上詳しいことは聞かなかったから、どういう職務の人だったのか全然わからないんだけど、「宮城」という言葉が自然に出てくる人と、その音に最初に「球場」という字を当ててしまうような自分が遭遇したことが妙に印象的で、そのことだけを憶えている。