瀬島龍三の回想録『幾山河』は結局読みきれず時間切れ。予約待ちがあるようで、貸出延長できなかった。
全体の半分までも辿り着かなかった(〜p102まで)のだが、それは純然たる時間不足。文章自体はとても読みやすい。回想録というより、論文か、第三者が書いた評伝のようですらある(当時の軍部内の制度や体制、業務内容が結構な分量を割いて詳しく説明されているし、突然「参謀論」なんていう訓示めいた章まで出てくる)。客観的な記述のように思われるけれども、その客観性は大戦前の価値観に基づいているようにも思われる。この人の頭の中は戦前のままなんだなあ。
あと、「参謀」というものについての認識がこれ読んで変わりました。なんつーか、まんまサラリーマンの世界です。参謀って、基本的に事務員なんですね。作戦立案もするでしょうが、基本的に机上の書類仕事がメインで、現代の会社で言えば企画部みたいな感じ。書類の管理したり整理したり、計画書や企画書書いて会議でレビューして、清書したり上司の鞄持ちしたり。前線に出ている指揮官とは根本的に違うんだなあと思いました。今更ですが。瀬島さんが戦後、商社で辣腕が揮えたのもわかります。だってやってること一緒なんだもの。むしろ戦後の会社社会のほうが動かすのはずっと簡単だったでしょうね。
とりあえず読んだところまでの印象はこんな感じ。また予約かけて待つのか……(面倒くさい)。

※以下は個人メモ:付箋つけたところ
p19, 上段2段落目; p23, 上段1段落目; p40, 下段; p40, 下段2段落目; p63, 上段最終段落; p71, 上段最終段落; p73, 下段2段落目; p77, 上段2段落目; p80, 上段最終段落;