ゴーレム100

ゴーレム 100 (未来の文学)

図書館から借りてみてえらい厚さに慄いたものの、通勤の往復と昼休みをびったり使ってほぼ一気読み。すっごい、としか言いようがない。無教養なもので、言葉遊びの元ネタ探しや重層的な解釈まで手が回っておりません。途中からバロウズジョイスらしいですが、どっちも未読なので全然わかりません。にも関わらず、こういう読者でもぐいぐい引っ張られて、しかも楽しく読めるのがすごいところです。これは翻訳の偉業もあるのでしょう。正直言って、『虎よ、虎よ!』よりずっと面白かった。(『虎』のほうは、「諸君はブタだ!」しか覚えてないな……)
しかしこの本の書評探すと、ぶっこわれてるとかジャンクだとか下品だとかクズだとかゴミだとかガラクタだとかガラクタ以下だとかっていう単語ばかりが目に飛び込んでくるんですが、この全てが結局のところ誉め言葉だってところが傑作です。ベスターは自らに向けられた書評の言葉まで転倒させちゃったんですね! おそるべし!(笑)
それにしても、本文以上にあとがきを読んで思ったけど、渡辺佐智江って漢前だなあ。