ジーヴスと恋の季節

表題通り「春が来たで〜」なお話で、恋する男どもは誰も彼も口々に「天使!」「天使!」と叫び、当の天使たちは例によって結構えげつない女の子たちで、強烈なおばさんたちの一個連隊がとぐろを巻いて咆哮する田舎のマナーハウスにそういう男女が放り込まれて大騒ぎ、なわけである。登場人物が劇中で入れ替わり、カップルの組み合わせも互い違いになるドタバタ劇は、『真夏の夜の夢』みたいな古典演劇ちっく。もつれ切った人物関係がジーヴスのキューの一突きで解消される結末の鮮やかさはお見事。
それにしても最終的に皆が大団円でラブラブになっても、バーティーにはラブラブのお相手が現れないのね。あ、ジーヴスとラブラブだからいいのか。納得。(すな)