映画に触発されて家にあるブラームスのピアコン1番、聴き直してみました。うちにあるのは、前にここで紹介したこれ。
Art of Julius Katchen 3
ちょうど2枚組の1枚目にブラームスのピアコン1番とシューマンのピアコンが入ってます。
ブラームスのピアコン1番、改めて聴くとしみじみいい曲なんだけど、やっぱり「コンチェルト」と考えると地味なのですね。初演はブラームス自身が演奏したそうですが、聴衆にまったく受けず、野次飛びまくりで大失敗だったそうです。ありていに言えば演奏家の技術をひけらかすためのものだったコンチェルトをここまでシンフォニックにしたのは画期的なことだったんでしょうが、まあ私もどちらかと言えばコンチェルトでは手に汗握りながらやんやの声援でピアニストの芸人魂を見物するのが好きなので、当時の聴衆の気持ちはわかる(笑) その22年後にピアコン2番が発表されて、これもコンチェルトというよりピアノ演奏付きシンフォニーという感じなんですけど、今回は大受けするんですね。この間にブラームス交響曲第1番、2番を作曲して成功しているので、聴衆の意識が変わったということなんでしょうね。
シューマンのピアコンは映画では1楽章が使われていたけど、私はやっぱ3楽章が好きだなあ。もうこのきらきら感。あのくらーくて口下手で気難しくて明らかに非モテシューマンが(すんません、これでも私シューマン愛してますんで)こんなきらきらを作り出したなんて。もう。