ずっとあなたを愛してる

「ずっとあなたを愛してる」を観て来た。銀座テアトルシネマ(1/23)。
「ブロデックの報告書」のフィリップ・クローデルの初監督作。良い映画でした。
クローデルは、ボーダーライン上の人というのを描くことにこだわっているように見える。舞台は独仏の間で帰属が揺れ動いたロレーヌ地方、主人公ジュリエットとその妹レアは英仏ハーフで、姉のジュリエットのフランス語には英語訛りが残り、ジュリエットの担当刑事はオリノコ河を見に旅立つと言って黄泉の河を渡り、ジュリエットに好意を寄せるレアの同僚ミシェルは、刑務所にいる囚人たちと自分たちとは紙一重の差だと言う。ボーダーライン上で揺れ動く人々を、冷静な目と密やかな共感で追う映像が繊細で美しい。
ただ、多人種多国籍の共存、を描く意図だったのだろうけど、レア夫婦がわざわざベトナムまで赴いてベトナムの子供を養女を迎えるという行為にだけは、どうしても違和感あった。