今日は午後からマドリッドに移動の日。
午前中を使ってモンジュイックに行く。小高い丘程度だと思っていたら、結構な山。歩いて登ろうなんて気を起こさなくてよかった。登山電車のフニクラに乗りたかったんだけど、メトロの駅に貼紙してあって、「技術的な問題で2月いっぱいは運転中止。代わりにバスを運行してます」とのこと。この案内がよくわからなくて、とりあえず指定されたバス停に来たバスに乗ったら、途中で運転手のお姉さんに「ここで降りろ」(多分)と言われる。何だかわからないままに降りると、道の反対側にもう一つバス停があって、案内の人が立っている。聞くとここで乗り換えだそうだ。あの表示でわかるかよーw

というわけで、モンジュイック城。17世紀に建築された要塞。写真ではよく見えないけど、ぼろぼろのスペイン国旗が掲げられているのも風情がある。

城の門からトラックがにゅーっと出てくるところ。ものすごい幅ギリギリなんですけど。

掘の中は庭に整えられている。しかしこの工事音…嫌な予感がする。この城が軍事博物館になっているはずなんだが……やはり改装中で閉鎖。うう悲しい。しかしこの屋上から眺める景色は極上でした。この日の午前中はきれいに晴れていたし、真っ青に凪いだ地中海が見えて素敵だ。

海に面した斜面の上の砲台。

こんな感じの斜面の上。アングル悪くて海が入ってないな。

この後、バスでスペイン広場まで出る…というか降りそこなって終点についたらスペイン広場だったというオチ。てくてくとカタルーニャ美術館まで歩く。ここの美術館に向かう大通りも盛大に工事中。そして両側の見本市会場ではMobile World Congress 2010の真っ最中。美術館前のカフェで一休み。
カタルーニャ美術館では特別展だけ無料でやっていたのでそれだけ観て帰ったのですが、全部見られなかったの惜しかったなあ。もっと時間があれば。

サンツ駅に戻ってホテルで荷物を受け取り、マドリッド行き特急に。今回の旅行手配で最も苦労させられたRenfeのAVEである。何しろチケット予約サイトがワンダーランド。アクセスするたびに挙動が変わり、英語表記はあったりなかったりで、ようやく予約フォームに辿り着き、いろいろ入力してぽちっとなすると、カード認証で弾かれるという鉄壁ぶり。しかしスペインが誇る最新鋭とあって、さすがに列車はピカピカに新しくてきれい。席もゆったりしていて快適。
ちなみに乗る前に駅で荷物のセキュリティチェックを受ける。美術館などでもほぼすべて荷物チェックはありました。テロ警戒厳しい。

一等車の食事サービスを体験してみたいというのが母の希望だったのだが、それがこれ。食前の飲み物、食後の暖かい飲み物もついて、すごくゴージャス。機内食みたいで、きちんと温めてある。美味しい。ちなみに列車にはカフェテリア車両もついていて、覗きに行ったら人でいっぱいだった。
ここの車内サービスの若いお姉さんが少し日本語が話せる人で、いろいろ親切にしてくれました。なんでも1年間東京で勉強したそう。ペネロペ・クルスを小柄にしたような可愛いお姉さんでした。ありがとうありがとう!
ここまででわかってきたのが、現地ではBuenos diasやBuenas tardesはほとんど使わないということ。むしろ旅行中一回も聞かなかった。ホテルのフロントでもカフェでもレストランでもスーパーでも、第一声はHora ! だ。バイバイ、はAdiosなんだけど、Ciaoも結構使う。Vinoと言ったらデフォルトで赤ワイン、朝以外でも皆結構ミルクコーヒーを飲む。やっぱ行ってみないとわからんですね。

AVEの車窓から。ルートはリェイダ・サラゴサグアダラハラ経由のマドリッド行き。道中はこんな感じの赤茶けた岩山と灌木の荒野がずっと続く。バルセロナでは快晴だったけど、マドリッドに近づくにつれて天気が悪くなっていって、アトーチャ駅に到着した頃には大雨。しかもマドリッドのほうが内陸のせいか、格段に寒い。ホテルをアトーチャ駅近くにしておいてよかった。とりあえずホテルに荷物を放り込み、少し雨足が緩んだところで徘徊に出る。
まずメトロの10回回数券をげっと。ここでは市内均一1回券が1EUR、10回回数券が9EUR。バルセロナより設備は古い感じ。全体にバルセロナは明るくて人懐こくて新しい感じ、マドリッドはちょっと古びていて重厚で渋い感じ。街も人もそんな感じ。母は、マドリッドのほうが人がつんつんしている、と言っていた。まあ何となくわかる。ちょっとシャープな感じ。

スペイン銀行前、シベーレス広場へ出たら、なんと街頭デモの真っ最中。道路を封鎖して赤い旗をもった群衆が気炎を上げている。メトロにも赤い小旗を持った人たちがいたけど、このデモの参加者だった。
現地ではわからなかったけど、どうやらこれ↓だった模様。確かに「年金を守れ」(大意)みたいな横断幕が上がっているのを見たな。
http://news.yahoo.com/s/afp/20100223/bs_afp/spaineconomypoliticspensionsprotests
上の写真はスペイン銀行の真向かいの中央郵便局。素晴らしく美しい建物です。スペイン銀行も見事だったけど。

さらにてくてくと歩いて、国立考古学博物館。ここでも嗚呼改装中。アルタミラ洞窟の復元を楽しみにして行ったのに。展示はほんの一部しか出していないせいか無料だったけど、しかしそれだけを見ても結構すごい所蔵品を持ってそう。いつかリベンジしたい。

帰りに新聞記者のたまり場だったという老舗カフェで軽く食事。観光客がよく来るせいか、英語メニューがあって助かった。トルティージャとサラダ、紅茶、私だけクロワッサン。トルティージャはピンチョス(ポーション)なのにかなりでかくてパンつき。サラダも大皿で来てびっくり。トルティージャはどこに行っても大きくて安かった。国民食なのか。
すっかりお腹いっぱいになって、この日はこれでおしまい。