今日は一日美術館漬けの日。私的にド本命、プラド美術館の日である。いろいろ必死で全然写真ありません。

と、その前に、マドリッドの宿では朝食がバカ高だったので(2000円以上相当)、まず朝食を食べる場所から開拓せねばならない。この日の朝は雨が降ってなかったので、カルロス五世広場からプラド通りをてくてく北上し、途中にある小さなホテルの一階のカフェが手頃そうなので入ってみる。外国人客も多いのか、英語併記のメニューがあってよかった。ミルクコーヒー(cafe con leche)と簡単なパン菓子がセットになったものが一般的なようで、パンがクロワッサンとかチュロスとトーストとかバリエーションがあっても、大体2EUR台。私はミルクコーヒーにチュロスとバナナをつけて貰い、母はクロックマダム。コーヒーには小さなビスケットがおまけについていて、朝の一杯を飲みに来る地元のお客さんはコーヒーだけという人も多かった。チュロスは日本で見るものより細くてさくさくした本当に揚げ菓子で、甘みはついてない。砂糖を入れたコーヒーに浸して食べるらしい。
普段は私も母もコーヒーや紅茶に砂糖は入れないのだが、毎回大きな砂糖の袋がついてくるもので、何となく入れてしまうようになった我々である。ここまでにすっかりスペイン化されてしまっている。

プラドまでの道沿いに見つけたマドリッド海事博物館。時間の関係で行けませんでしたが、惜しかった…! きっとレパント海戦やアルマダ海戦の資料などざくざくあったに違いない。ここも要再訪。

そして、プラド。ベラスケスの像。この向こうが入り口で、もう一箇所の入り口&チケット売り場のほうにはゴヤがいる。朝一番で来たのでガラガラの状態で入れました。この後は半日、ただもう至福。画集とかで見ていても、実物を見る感動は薄れない。思ったより大きな絵もあり、小さな絵もある。スペイン王室の肖像画は概して巨大だった。歴史題材の絵も巨大。ゴヤの黒い絵シリーズは比較的小さい。ブレダの開城とかも凄かったなあ。絵の中からの視線をより強く感じる。夫の棺と共に彷徨うフアナ女王の有名な絵も、写真ではくすんだ印象だけど、実物は油彩で絵の表面が光沢を持っているせいか、より陰影がくっきりして鮮やか。15時くらいまで入り浸っていた。本当はもっと居たかったけど、ティッセン・ボルネミッサ美術館へ。
ちなみに昼食はプラドの中のビュッフェ形式のカフェで。新しい印象でした。全体にスペインはインフラや設備を一生懸命新しくしてる感じだったな。公共事業と観光政策の一石二鳥なのかしらん。
ティッセン・ボルネミッサ美術館は個人蔵の美術館だそうですが、ここも呆れるほどの大きさ。かなり流し見たけど、3時間くらいかかった。
美術館を出て早めの夕食。宿に帰る道すがら見つけたバルで。大体どこでもバルとテーブル席の両方がある。バル席のほうに陣取ったものの、これまた全く言葉が通じない。何とかメニューを貰ったけれども本格的な料理メニューだけで、それもよくわからないので、ビールとカウンターに並んでいたタパスを数品頼む。パンと浅蜊の蒸し煮っぽいのとタコと野菜のマリネとミートボール。おいしかったけど、ちょっと高かった。ぼられたかなと思ったのはここだけ。
チェーン店とかでなければ、大体どこのカフェに行っても、絶対にある定番メニュー(エスプレッソとかミルクコーヒーとかワインとか)はメニュー表に載ってなかったりする。手を加えたスペシャルメニュー(ウインナコーヒーとかチョコレート入りだとか)は載っている。途中からいちいち訊くのも面倒になって、スペシャルメニューの値段から類推して頼むようになりました。ミルクコーヒーなら大体1.2〜1.5EURくらいが相場な感じ。
御飯の後、夜までやっているソフィア王妃芸術センターへ。ここはピカソゲルニカがある美術館。そしてコンテンポラリーアートの殿堂。クエスチョンマークがぶんぶん飛び回る母と私。ソフィア王妃って…アヴァンギャルドな御方だったのね…と結論する私たち。
ゲルニカは大きかった。しかし正直言うとこれの凄さがあまりわからないピカソ音痴な私でした。すぐ隣の部屋で、スペイン内戦の映像が流れていて、これが説明も何もなく、ただ当時の映像や写真を次々流すだけなんだけど、こちらのほうが胸に迫ってきた。山積みの死体とかもばんばん映る。R-18とか勿論ない。戦争にそんなもんないのだった。
ずっと立ちっぱなし歩きっぱなしで疲れ果てた一日でした。