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バウドリーノ/ビザンツ皇妃列伝/休戦

『バウドリーノ』上・下 ウンベルト・エーコ/堤康徳 訳(岩波書店)(4/7) 『ビザンツ皇妃列伝』 井上浩一(白水社Ubooks)(4/17) 『休戦』 プリーモ・レーヴィ/竹山博英 訳(岩波文庫)(5/3)

侍女の物語/春にして君を離れ

『侍女の物語』 マーガレット・アトウッド/斉藤英治 訳(早川epi文庫) フェミニズム的ディストピア小説という評価のようですが、女性の抑圧という側面より、そういった状況が全て宗教の名の下に行われているという点が言い様もなく不気味だった。この世界で…

シルマリルの物語

『新版 シルマリルの物語』 J.R.R.トーキン/田中明子 訳(評論社) 肉食系エルフ(笑)の物語。マイズロス哀しいな。勧めてくれた友人たちがつまらんから飛ばしていいよと口を揃えていたアイヌリンダレが実は私は一番好きだった。韻律が世界を作るというのは…

頭の中身が漏れ出る日々、Fantastic Mr.Fox

"Fantastic Mr.Fox" Roald Dahl (Puffin books) 原作ファンの友人が貸してくれた。映画のトレーラー見たけど、原作とはかなり違いそうね。ダールの本はどれもかなり辛口。 『頭の中身が漏れ出る日々』 北大路公子(毎日新聞社)(2/17) 何というか、とても…

平成よっぱらい研究所

『平成よっぱらい研究所 完全版』 二ノ宮知子(祥伝社) Amazonの書影が違うのでうちで酔っ払いながら撮った写メを載せておきます。いやはや酔っ払いって楽しいね。いや私も、いっそのこと全部記憶が飛んでればどれほど気が楽かと何度となく思ったけどね。上…

モスクワ攻防戦

『モスクワ攻防戦 20世紀を決した史上最大の戦闘』 アンドリュー・ナゴルスキ/津守滋 監訳・津守京子 訳(作品社)(1/26) 史上最大にして史上最悪の戦闘。とにかく酷い。二大巨頭の失策の応酬により、冬服も冬仕様の車両や武器もなしにロシア遠征したドイツ…

プリーズ・ジーヴス 2

『プリーズ・ジーヴス 2』 勝田文/P.G.ウッドハウス/森たまき 訳(白泉社) 本年の初笑い。小説原作の漫画読んで小説以上に良かったことって今までないんだが、これは素晴らしい。本当に小説とは別次元で楽しい。素晴らしい。

外国語で発想するための日本語レッスン

『外国語で発想するための日本語レッスン』 三森ゆりか(白水社) これまで学校で書かされた読書感想文が嫌いだった理由がわかった。あれは想定された模範解答をいかに想像してそれに沿うように書くかを要求されるもので、つまりは空気を読む訓練だったわけ…

旅行者の朝食

『旅行者の朝食』 米原万里(文春文庫) 食いしん坊が書く文章って本当に美味しそうでこちらまで腹が減ってくる。

カチンの森

『カチンの森 ポーランド指導階級の抹殺』 ヴィクトル・ザスラフスキー/根岸隆夫 訳(みすず書房) 著者はブレジネフ時代にソ連を出国してカナダに移住、その後長らくイタリアで教鞭を取ったソ連・イタリア政治史の学者。本書も含め著作は全てソ連に関するも…

神器・下

『神器 軍艦「橿原」殺人事件』下 奥泉光(新潮社) 上巻読んでこりゃ渾身の戦争ギャグだと思ったが、下巻に入って、こりゃ渾身の敗戦国日本の物語だと認識を新たにした。 神器を積んでただ一隻、太平洋に漕ぎ出した橿原は敗戦国の幻想たる「本当の」日本を…

神器・上

『神器 軍艦「橿原」殺人事件』上 奥泉光(新潮社)

『俺俺』 星野智幸(新潮社)

『シューマンの指』 奥泉光(講談社)

『テルマエ・ロマエ 2』 ヤマザキマリ(エンターブレイン) ω炸裂しまくりだった。さいこう! さいこう!

海に帰る日/大転落

『海に帰る日』 ジョン・バンヴィル/村松潔 訳(新潮クレスト・ブックス) 美しい……が、地味。この一言に尽きる。バーチウッドを読んだ後だけに。ただバーチウッドは若書きの作品で、少々技巧に走りすぎたきらいはあるのかもしれない。本作はバーチウッドか…

違和感のイタリア

『違和感のイタリア』 八木宏美(新耀社) 友人に借りた本なんですが、面白かった! 教育を受けない自由、にしびれた。日本の横並び主義うざいと常々思っている人間としては。階級制度を前提にした考え方なのかもしれないけど、機会の自由と平等さえあれば、…

ナポレオン、フーシェ、タレーラン

『ナポレオン、フーシェ、タレーラン 情念戦争1789-1815』 鹿島茂(講談社学術文庫) フランス革命期からナポレオン帝国、そしてその崩壊までのキーパーソン三人の動きと歴史を、情念(パッション)という側面から切り取った歴史読み物、かな。とにかく素人…

新ナポレオン奇譚

『新ナポレオン奇譚』 G.K.チェスタトン/高橋康也・成田久美子 訳(ちくま文庫)

ヴェネツィアの歴史

『ヴェネツィアの歴史 共和国の残照』 永井三明(刀水書房) カードを作りに行った隣区の図書館でたまたま見かけて借りてきて、もう1ページごとにハアハア言いながら読んでいた。萌えすぎて。あまりに萌えたので買いました。 それほど分厚くないにも関わらず…

絵で見る十字軍物語

『絵で見る十字軍物語』 塩野七生/ギュスターヴ・ドレ 絵(新潮社) ドレの版画に七生がちょろちょろ文つけただけで2000円超四冊配本かよ商売上手えなコンチクショー! とTLで大評判(笑)だったこの本ですが、ええゲイツされましたとも。こういう神経症的…

銃・病原菌・鉄 上

『銃・病原菌・鉄 上』 ジャレド・ダイアモンド/倉骨彰 訳(草思社) 人間が主な居住地によって生産力・技術力に差が出来たのは何故かを説明する本。序章を読んでいて妙にもやもやしたのが、このテーマがぶっちゃけ何故ヨーロッパ系の人間が歴史的に覇権を握…

ドイツ現代史の正しい見方/ナポリの肖像

『ドイツ現代史の正しい見方』 セバスチャン・ハフナー/瀬野文教 訳(草思社) 『図説プロイセンの歴史』のハフナーさんの本。大まかな時系列順のテーマに沿った啓蒙的エッセイという感じなのだが、やっぱり全体にプロイセン好き好きフィルターが盛大に掛か…

フランス革命の肖像

フランス革命の肖像 (集英社新書)" title=" フランス革命の肖像 (集英社新書)" class="asin"> 『フランス革命の肖像』 佐藤賢一(集英社新書ヴィジュアル版) フランス革命時の著名人たちの肖像を、ざっくりした当時の歴史の解説と一緒に紹介した、トーシロ…

プロイセン絶対王政の研究

『プロイセン絶対王政の研究』 阪口修平(中央大学出版部) 主にフリードリヒ・ヴィルヘルム一世、フリードリヒ二世(大王)の時代のプロイセンの社会制度の研究書。ゴリゴリの学術書だけど、案外読みやすかった。 絶対主義――ここでは特に絶対君主制の意味で…

エコのイタリア案内

『エコのイタリア案内』 ウンベルト・エコ/谷口勇 訳(而立書房) 図書館で読んできた。エコって一瞬エコロジーのエコかと思ったよ。エーコのことね。独特の切り口から紹介するイタリアの特質。ダンベルで筋トレするローマ時代の女性とか、「雨だ、ちくしょ…

ヨーロッパ史における戦争

『ヨーロッパ史における戦争』 マイケル・ハワード/奥村房夫・奥村大作 訳(中公文庫) サルでもわかるヨーロッパ軍事史的にわかりやすく面白かった。あまり細かいことまで書かれていない分、全体の流れを俯瞰しやすい。 ナポレオン率いる革命軍、後の大陸軍…

母の発達

『母の発達』 笙野頼子(河出書房新社)(6/20) とても素直な声で母は言った。 ――生きたのがええ、お母さんごっこにはまってる馬鹿がええわ。 (p68) 注―三重県人が大声を上げるのは人間を止める時だ。 私の胸は使命感に溢れていた。母が育ててくれた恩を返す…

「死の舞踏」への旅

『「死の舞踏」への旅 踊る骸骨たちをたずねて』 小池寿子(中央公論新社) ヨーロッパ各地の教会壁画等に残る、骸骨と人間が隊列を組んで踊るというか練り歩く「死の舞踏」を追った、研究書というより紀行文のような感じ。ハーメルンの笛吹きもこれの一変形…

煙滅

『煙滅』 ジョルジュ・ペレック/塩塚秀一郎 訳(水声社) 正直言って中盤くらいまではとにかく読みづらさばかりが気になって座礁しそうになったんですが、後半から怒涛の展開で面白くなる。この読みづらさは著者が意図したものなんだろうけど、やっぱり楽し…