cinema

かいじゅうたちのいるところ

かいじゅうたちのいるところを観て来た。新宿バルト9。 痛々しい映画でした。シャウトとスクリーム、疾走する画面、荒ぶる破壊衝動。まだ感情を制御できない子供の狂暴さの痛々しさと不安定な怖さを抉り取った映画。ちょっと身に覚えあったりするよね。イタ…

母なる証明

『母なる証明』を観てきた。新宿武蔵野館。 圧倒的な傑作だった。冒頭から最後まで手先が冷たくなるような緊張感。正直すっごい怖かった。それでいて、端々のディティールは可笑しく、でも全編を貫くのは非情さ。何かに無償の愛を注ぐというのは、それ以外の…

『倫敦から来た男』、シアターイメージフォーラム。(12/20)

ケネス・ブラナーの『魔笛』。しばらく前に買い込んで積んでいたのを観た。 劇場で観たので二回目ですが、その間に近現代史の本をいろいろ読んだおかげで、この演出がまるまんまWW1の西部戦線を舞台にしているのがよくわかる。タミーノが最初に所属している…

本日の座礁映画

デジタルリマスター版『赤と黒』(銀座テアトルシネマ)(12/12) どうにも期待外れ。テンポが悪いし、演技はあんなもんでいいんかしらと思う(だいこ(ry))。ジェラール・フィリップは私の好みからはそんなに超美形って感じもしないし、セクシーでもな…

イングロリアス・バスターズ

『イングロリアス・バスターズ』を観てきた。TOHO日劇。(11/29) 大蟻食先生の特別講義の日にちを間違えて神保町まで行き、そこからやけくそで有楽町まで歩いて起死回生のリカバリ……のはずだったんだが、私これ、好きじゃない。予告編から楽しみにしてたんだ…

副王家の一族

『副王家の一族』を観てきた。Bunkamuraル・シネマ。 イタリア統一期のシチリア貴族、と来たら『山猫』と引き比べてしまうのは致し方ないと思うのだが、んもう『山猫』は凄すぎるんだよな。罪作り。あれを映像的に超えるゴージャスさはもう無理なのかもしれ…

パイレーツ・ロック

『パイレーツ・ロック』観てきた。(11/14) 感想が二周回遅れ。楽しい映画だった! 以上終わり。 いやほんと、これ以上何も言うことないんですが。フィリップ・シーモア・ホフマンのチキンレース見れたし、ビル・ナイが悪趣味ギリギリのファッションでツイ…

ヴィヨンの妻

『ヴィヨンの妻』を観てきた。ヒューマントラストシネマ。(11/8) いや太宰でした。駄目男でした。素晴らしかった。 ああいうどうしようもない関係はやっぱりそういう経験をした人じゃないと書けないのか。太宰の作品はあまり読んでないので引用部分が正確に…

ボヴァリー夫人

ソクーロフの『ボヴァリー夫人』を観てきた。シアターイメージフォーラム。(10/24) 20年間封印されていた作品のディレクターズカット公開だそうですが……封印される作品には封印されるだけの理由があるというか。私はこれ、全く好きじゃない。原作未読状態で…

ラン・ローラ・ラン/パリ・オペラ座のすべて

周回遅れの鑑賞記録。 『パリ・オペラ座のすべて』(10/23) ルシネマ。まったく説明なし、映像だけのドキュメンタリー。でもただ黙って長期間密着することで、これだけ雄弁に実態を伝えるのだという。しかしほんとこの人たち、人間業じゃないですね。定年42歳…

これ行きたい! http://www.germanfilmfest.jp/ 『マーサの幸せレシピ』と『ラン・ローラ・ラン』が目当て。ちょうど土日に当たってくれたから何としてでも行かねば。

低開発の記憶/ある官僚の死/12の椅子

キューバ映画祭で三本立て(10/3)。渋谷ユーロスペース。『ある官僚の死』と『12の椅子』の間に太田昌国氏と岡田秀則氏のトークがあって、これも面白かった。 『低開発の記憶―メモリアス―』 一昨年くらいに公開されていたのを見損ねた。岡田さんが「38歳危機…

クララ・シューマン 愛の協奏曲

『クララ・シューマン 愛の協奏曲』を観てきた。渋谷Bunkamuraル・シネマ。(9/12) そうだ、私はシューマンヲタなのであった。と思い出しました。余所見多いもんで駄目です。 監督はブラームスの末裔にあたる女性。大筋は史実に忠実に作りながらも、人物像は…

意志の勝利

『意志の勝利』を観てきた。渋谷シアターN。どうせガラガラだろうとタカを括っていたら、なんと超満員。あの有名なナチのプロパガンダ映画、ニュルンベルクの党大会のドキュメンタリーです。うまくまとまらないので感想箇条書き。 確かに映像は凄い。カット…

ハリーポッターと謎のプリンス/真夏の夜の夢/ディア・ドクター

週末映画三本立て。ハリポタは先週です。 ところで、ティム・バートン監督の『不思議の国のアリス』のプレスリリースを見たのですが……ヘレナ・ボナム=カーターが志村けんみたいになってるですよ…。これまでも怪奇女優路線一直線だったけど、なんかもう戻れ…

マン・オン・ワイヤー

話の長い人が仕事の妨害に来たけど、会議が都合により一時間繰り延べになったけど、帰ろうと思ったら新人の質問にとっ捕まったけど。仕事ぶん投げて最終日に駆け込みましたよ、『マン・オン・ワイヤー』。テアトルタイムズスクエア。 だって仕事は休日出勤で…

剣岳 点の記

『剣岳 点の記』を観てきた。渋谷東映。 凄かった! 凄かった! 圧倒的なカメラワーク! 素晴らしいの一言です。撮影現場での流れに合わせてシナリオを変え(というか、途中からほとんど使っていなかったらしい…)、実際に起きたエピソードをどんどん盛り込…

天使と悪魔

『天使と悪魔』を観てきた。渋東シネタワー(6/13)。 最初は『だまし絵展』に行こうと思ったらえらい混みように尻尾を巻いて退散し、「しようがないから映画でも観るべ」という、でもしか的選択で映画館に行ったので、全く期待していなかったんだけど、思った…

世にも憂鬱なハムレット

仕事さぼってまたこれに行ってました。 http://www.eufilmdays.jp/ケネス・ブラナー監督『世にも憂鬱なハムレット』。(6/9) 1995年の作ですが、古きよきモノクロ喜劇映画を模し、四幕構成、笑いあり悩みあり恋愛あり人情ありの正統派シェークスピア映画でし…

カラマーゾフ兄弟

というわけで、仕事速攻(というか無理やり)片付けて、これに行ってました。 http://www.eufilmdays.jp/観たのは『カラマーゾフ兄弟』。と言ってもドストエフスキーの原作の映画化ではなく、ポーランドの古い鉄工場を舞台にチェコの役者たちによって演じら…

チョコレート・ファイター/消されたヘッドライン

『チョコレート・ファイター』(5/27) 新宿ピカデリー。『マッハ!!!!!!!!』も『トム・ヤム・クン!』も劇場で観損ねたので、今回は絶対に観に行こうと思っていた。素晴らしかった〜! 気合いを入れて本気で作ったアクションはアクションだけで魅せる。 『消され…

バーン・アフター・リーディング

『バーン・アフター・リーディング』を観てきた。渋東シネタワー。 黒い。黒い映画だった。全員が自分のことしか考えていない、全くもって酷い話なんだけど、くふふふっと笑える。こういうの大好きだ。ブラッド・ピットのアホ演技はお見事だった。『オー・ブ…

スラムドッグ$ミリオネア

『スラムドッグ$ミリオネア』を観てきた。渋谷シネセゾン。 以下、ネタバレ注意。良い映画だった。正直、上から目線のお涙頂戴もしくは貧困撲滅キャンペーン的映画だったらやだなあと思っていたのだけど、そういうのは吹っ飛ばしたご機嫌な映画だった。絶妙…

『ワルキューレ』を観て来た。新宿バルト9。 全く感心しない映画だった。主演がトム・クルーズなのは別にいいんだけど、せめて全編ドイツ語でやってもらいたかった。全体的に演出がわざとらしい。緊張感を出すのに、やたらと大音量の音楽と効果音に頼る演出…

『ある公爵夫人の生涯』を観て来た(4/21)。テアトルタイムズスクエア。 ストーリーにはあまり捻りがなくて少々退屈なんですが(レディ・エリザベスと公爵が多面的な人物に描かれていたのが唯一面白かったところ)、アカデミー衣装デザイン賞を獲っただけあっ…

映画二本立て。来週からGWまで週末練習三昧だから、今週が遊び納めなのだ。どちらも日比谷シャンテ。 『フロスト×ニクソン』 ここ数年のベストかも。ドキュメンタリー風の作りであの緊張感を保たせたことには感心しきり。役者の表情が全てを語る映画でした。…

『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』を観て来た。 想像していたより良い映画でした。『ビッグ・フィッシュ』もそうだけど、こういうアメリカほら話系統の映画は好きです。ベンジャミン・バトンの人生が描かれるときの、きらきらしたような少し現実から浮き…

『ラ・ボエーム』を観てきた。テアトルタイムズスクエア。 同名のオペラの映画化。最近こういうオペラの映画化が多くて嬉しい。生で観たら下手すりゃウン万のオペラが1800円で聴けるんだもんね。キャストも豪華だし。 ラ・ボエーム、実は全曲聴いたのは初め…

『ホルテンさんのはじめての冒険』を観て来た。Bunkamuraル・シネマ。(2/21) まったりした雰囲気の中に突然シュールなギャグが差し挟まれる超オフビートお馬鹿映画でした。期待通り!(私はこういうの大好き) でもこの映画ってすでに到来しつつある高齢化社…